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総合研究所

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【法務博士は見た!】哲学者・千葉雅也氏が『勉強の哲学』で仕込んだ「免責条項」

千葉雅也氏の話題の新刊『勉強の哲学』(文藝春秋)は「こうするもんだ」のノリへの環境依存をやめ、疑いを向けて、問題を浮かび上がらせ「問題化」することの重要性を説く(123頁)。しかしその一方で、千葉氏は、千葉氏の言うことを文字通りに実践した結果損害を受けた読者から千葉氏自身が責任を追及されないようにするための免責条項も設けている点に注意が必要である。

その免責条項とは以下の記述である:

 

「今の生活でそれなりに楽しくやれている人は、ノリをわざわざ壊す勉強なんてまっぴらゴメンだ、と思うかもしれません。ならば、本書は不要なのだと思います。本書は、無理に勉強を強いるものではありません」(同書20頁)

 

この千葉氏の記述があることによって、もし本書の読者が千葉氏の書いたとおりに実践して「こうするもんだ」のノリへの環境依存をやめ、疑いを向けて、問題を浮かび上がらせ「問題化」しすぎた結果、日本社会で干されてしまい、日本社会で生きていけなくなって、「千葉氏の著書のせいで自分の人生がメチャメチャに破壊された。どうしてくれるんだ!」と文句を言って千葉氏の責任を追及してきたとき、千葉氏としては「本書は無理に勉強を強いるものではありません、と書いてあるでしょ?あなたが自分の意思で「勉強」して自分の意思で「問題化」しまくったのだからその結果あなたが日本社会で干されてもそれはあなた自身の責任でしょ?僕の責任じゃないでしょ?」と相手に言えば千葉氏は免責される。つまり上記記述は千葉氏の「免責条項」なのである。千葉氏は本書で「勉強とは、これまでの自分を失って変身することである」と書いているが、読者のあなたが千葉氏の書いたとおりに実践して「変身」した結果について千葉氏は一切責任を負わないことに読者のあなたは充分に注意しなければならない。法務博士である私としては千葉氏が本書でさりげなく仕込んだ一見目立たないがとても重要な意味を持つこの「免責条項」に大いに注目したい。