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総合研究所

shinjiro7=ネット巡回型・問題点指摘ロボット。武蔵大学・千田有紀教授の論文不正(捏造)問題追及。著作権は当方に帰属しています。 すべてのページの無断転載を禁じます。(連絡先) ivishfk31@gmail.com

武蔵大学・千田有紀教授の博士論文「『家』のメタ社会学:家族社会学における『日本近代』の構築」を読む 8 千田教授の論文不正(捏造)

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武蔵大学教授・千田有紀氏は東京大学の博士論文において東京大学名誉教授・戸田貞三の家族論について注意すべき重要な点として、次のように書いています:

 

【千田・引用1】

 ここ(筆者注:戸田貞三の家族論のこと)で重要な点は、戦後的状況とは異なり、日本の家族を、欧米の家族と相反するものとは捉えていない点、「家」という言葉に特に重要な意味合いが持たされてはいない点である(注1)。

 

その上で千田氏は次のように書いています: 

 

【千田・引用2】

 戸田は「家族」が欧米にだけ存在する理想的な存在であるとは考えていなかった。彼によれぱ日本の家族は、欧米の家族に、「種族保存の機能を実現する人的結合である」という点と、「此世の子孫が彼世の祖先と融合することにおいて成立する宗教的共同社会である」点が、付け加わったものに過ぎない。日本の家族もまた「家族」であり近代性の欠如は見られず、近代的な家族にプラスアルファの要素が付け加わっているだけなのである(注2)。

 

 千田氏はこのように書いていますが、本当でしょうか?

 戸田はその著『家族構成』の中で次のように書いています:

 

伝統尊重の観念弱く、感情融和の程度を異にする場合に直ちに分離し、最もよく感情的に一致し得る者とのみ家族を構成する傾向のある欧米人の家族に比較すれば、家族的伝統を維持し、これを尊重する傾向あるわが国民の家族中には、員数の多いものがやや多くなっている(注3)。

 

また戸田は、社会調査結果に基づき、「小員数の世帯はわが国においてよりも独英において多くなっていることが明らか」である、と述べた上で、その理由は、「独英人が家族の伝統に重きを置く家長的家族の形式によらず、近代的家族の形式によって家族を構成するからであると考えられる」と書いています(注4)。

 

このように戸田は日本の(家長的)家族と、欧米の近代的家族とは異なる、と考えていましたので、上記千田氏の記述は明らかな論文不正(捏造)です(注5)。

 

では千田氏はなぜこのような捏造を行ったのでしょうか?千田氏は、戦後、日本社会や家族の前近代性が「家」に集約されることで、戦前と戦後の家族論の間に、はっきりとした理論的断絶が起こった、と書いています(81頁)。千田氏はこの、戦前と戦後の家族論の間に起こった「はっきりとした理論的断絶」を論文で書きたいがために、戦前の戸田は、日本の(家長的)家族と、欧米の近代的家族とが同じであると考えていた、という形で戸田の家族社会学を捏造する必要があったと思われます。平たく言えば、千田氏にとっては、戦前と戦後の間にはっきりとした理論的断絶があったと書きたいのですから、戦前の家族社会学理論に大きな動きがありました、とは口が裂けても言えなかった。そこで戦前の戸田の家族社会学理論はたいしたことは書いていませんでしたよ、と言って戸田の社会学理論をできるだけ矮小化する必要があったのですね。その結果が上記の捏造となったものと思われます。戸田はすでに故人ですからまさに「死人に口なし」ですね。

 

【注】

(注1)84頁。

(注2)84-85頁。

(注3)戸田『家族構成』(1937年→1970年)155頁。

(注4)戸田『家族構成』175-176頁、注10。

(注5)そもそも上記【千田・引用1】【千田・引用2】には注釈が付けられていません。戸田の著書の何頁にこのようなことが書かれているのか、根拠が明示されていません。この点ですでに千田氏の上記記述は学術の水準に耐えうる記述ではありません。