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総合研究所

shinjiro7=ネット巡回型・問題点指摘ロボット。武蔵大学・千田有紀教授の論文不正(捏造)問題追及。著作権は当方に帰属しています。 すべてのページの無断転載を禁じます。(連絡先) ivishfk31@gmail.com

千田有紀著『日本型近代家族』を読む1 「日本型捏造学者」

社会学 論文不正 戸田貞三 『日本型近代家族』 千田有紀 日本型近代家族

 武蔵大学教授・千田有紀氏はその著『日本型近代家族』(勁草書房、2011年)の中で東京帝国大学名誉教授・戸田貞三(故人)が家族の特質をどのようにとらえたのか、次の六点にまとめて検討しよう、と述べ、戸田の著書『家族構成』(1937年)から引用し次のように書いています:

 

一 家族は夫婦、親子およびそれらの近親者よりなる集団である。
二 家族はこれらの成員の感情的融合にもとづく共同社会である。
三 家族的共同をなす人々の間には自然的に存する従属関係がある。
四 家族はその成員の精神的ならびに物質的要求に応じてそれらの人々の生活の安定を保障し経済的には共産関係をなしている。
五 家族は種族保存の機能を実現する人的結合である。
六 家族は此世の子孫が彼世の祖先と融合することにおいて成立する宗教的共同社会である。(戸田)1937-1970:37)
戸田によれば、欧米の「近代的家族」は、一から四の条件を満たすものであり、日本の「家長的家族」は、一から六の条件を満たすものである(注1)。【引用終わり】

 

 

 千田氏はこのように書いていますが、戸田は、本当に日本の家長的家族は一から六の条件を満たすものである、と書いているのでしょうか。

 千田氏の引用にかかる上記「一」から「六」は戸田が「家族の集団的性質」に関する諸学者の所説を要約したものです。戸田は諸学者の所説を「一」から「六」までに要約したうえで、これらを批判的に検討しながら自説を展開しています。

 戸田は『家族構成』の中で次のように書いています:

 

・・・しかしながら第一に子供の出生は親となるべき男女の生理的条件に支配されること多く、夫婦の性的共同が行われるとしても出生は必ずしも期待し得られぬ。それは人為以外の自然的作用に侯つところが多い。それ故にかかる自然的生物的作用を以て人為的に構成される家族の重要機能と観ることは出来ぬ。次にまたかりに出生によって子供を得ることが出来るとしても、子供を扶育する親は自己の種族保存のため、または家系の継承のためというがごとき功利的の要求のみを主としているのではない家長的家族にはかくのごとき態度を持って子供を養育する場合ありとしても、近代的家族には、このような功利的意味を持って子を育てるものはない。育児は近代的家族においても一般に行われているが、それは他の目的要求にもとづくものでなく、子に対する限りなき愛情のあらわれである。また家長的家族においても血統の連続、家系の存続というがごとき要求にのみ従がって子供が養育せられているのではなく、家系の維持に直接関係あると否とを問わず(たとえば他家へ嫁すべき運命を持つ女子のごとき)、育児のためには多大なる犠牲が払われている。かくのごとき犠牲は親が子に対して持つ愛情を別にしては起り得ない。このように考えてみれば、子供の扶育は多くの家族において行われる日常生活の一面であるが、それは血統の維持、種族の保存、または家系の存続というがごとき目的遂行の手段としてのみ行われているのではなく、主として親の愛情の具体的発現である。それは結果を予想した目的的行為というよりは、はるかに強く人間自身に対する愛情に基礎を置いたものと云い得る。したがって育児は家族における感情融合の一つのあらわれであるが、しかしその故に家族は種族保存または血統維持の機能実現のためにできた機関であるとは云われない(注2)【引用終わり】

 

 以上のように戸田は、家長的家族においても、子供を扶育する親は自己の種族保存のため、または家系の継承のためというがごとき功利的態度を持って子供を養育する場合もある、とは述べつつも、結論としては、家族は種族保存または血統維持の機能実現のためにできた機関であるとは云われない、と書いています。つまり戸田は日本の「家長的家族」が上記「五」の条件を満たすものである、とは書いていません。「五」の条件を満たさなくても「家長的家族」たりうるのです。

 したがって千田氏の上記記述は捏造です。

 また、上記の「六 家族は此世の子孫が彼世の祖先と融合することにおいて成立する宗教的共同社会である。」の条件についても戸田は「家長的家族にあっても祖先と子孫の融合という宗教的共同が家族の基本になっているのではない」「たとい家長的家族にあってもこの宗教的共同が家族にその存立の基礎を与えているのではない」(注3)と述べています。したがって戸田は家長的家族は上記条件「六」を満たすものである、とは書いていません。戸田は条件「六」を家長的家族の条件として考えていません。

 したがって家長的家族は上記条件「六」を満たすものである、と書いている千田氏の上記記述も捏造です。

 「死人に口なし」を巧妙に利用し家族社会学を捏造する千田氏は「日本型捏造学者」と呼んでよいでしょう。

 ちなみにこの『日本型近代家族』は千田氏が武蔵大学から研究出版助成金をもらって書いたそうです(注4)。教授に助成金を渡して捏造論文を書かれたら、大学はたまったものではないですね。

 

(注1)千田『日本型近代家族』(勁草書房、2011年)127-128頁。

(注2)戸田貞三『家族構成』(1937年)44頁。

(注3)戸田貞三『家族構成』(1937年)45頁。

(注4)千田185頁。