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総合研究所

shinjiro7=ネット巡回型・問題点指摘ロボット。武蔵大学・千田有紀教授の論文不正(捏造)問題追及。著作権は当方に帰属しています。 すべてのページの無断転載を禁じます。(連絡先) ivishfk31@gmail.com

武蔵大学・千田有紀教授の博士論文「『家』のメタ社会学:家族社会学における『日本近代』の構築」を読む 1 

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第1 千田有紀教授は東京大学の博士論文「『家』のメタ社会学:家族社会学における『日本近代』の構築」において「戦後民法はある面で明治民法と連続性を持っている」と述べた上で、明治民法と戦後民法の「連続性」の具体例として、祭祀に関して、家督相続人の義務と定めていた明治民法987条と、慣習に従うと定めている戦後民法897条を挙げています(注1)

 しかし両者は全く異なる内容を定めた条文ですから、これを民法の「連続性」の具体例として挙げることはできないのではないでしょうか?

 千田氏は「戦後民法ある面で明治民法と連続性を持っている」と書いていますが、「ある面」とはいったいどの面でしょうか?条文の内容面ではなく、内容面以外の別の面、ということでしょうか?博士論文においてこのような曖昧不明確な書き方をすることが許されるのでしょうか?

 

第2 千田氏はまた同じ論文で戦後民法について「相続に関しては長子単独相続は、法制度上は廃止された」と書いた上で次のように書いています:

 

 森岡も依拠する「全国家族計画世論調査報告書」(毎日新聞社)に基づく「財産や事業をめぐる意識」の変遷を見ても「長男または長女だけに」「子ども全部に平等に」、という回答はともに、横ばいを続けながら減少傾向にあり、「将来めんどうをみてくれる子どもだけに」という選択肢が、「わからない・その他」の選択肢と交換に、飛躍的な増加傾向を見せている。このように相続の問題は、親の扶養の問題と切り離すことのできない問題であり、一概に単独相続から均等相続へ変化したとはいえない(注2)。【引用終わり】

 

 しかし、森岡(清美)が依拠する「全国家族計画世論調査報告書」(毎日新聞礼)の「財産や事業をめぐる意識」の変遷に関するデータにおいて「将来めんどうをみてくれる子どもだけに」という選択肢が、「わからない・その他」の選択肢と交換に、飛躍的な増加傾向を見せた、という社会的事実が存在すると、なぜ、「単独相続から均等相続へ変化したとはいえない」「戦後民法はある面で明治民法と連続性を持っている」という結論が導かれるのでしょうか?

 私は、千田氏は、民法という法規範と、社会的事実とを混同しているように思います。千田氏が法規範と社会的事実とを混同した上で、上記のように結論することは、社会科学的に間違っていると私は考えます。しかも千田氏は本文では「ある面で」連続している、と曖昧不明確に書いていたのが、98頁の注12では「新民法が明治民法との連続性をもつ」と断言しています。つまり98頁注12では80頁の本文に書かれていた「ある面で」という限定は除去されているのです。千田氏は本文では戦後民法と明治民法が「ある面で」連続している、との結論を先に書いて「ある面」とは何を意味するのか曖昧不明確な書き方をした上で、法規範と社会的事実を混同した(その意味で社会科学的に間違った)具体例を挙げて上記結論の根拠付けを行い、最終的には、もともと本文に書かれていた「ある面」という限定を注釈で除去し「新民法が明治民法との連続性をもつ」と書いています。つまり千田氏は、民法という「法規範」が戦前(明治憲法下)と戦後(日本国憲法下)で連続している、と断言しています。

 ここで、次のことを考えてみましょう。家族関係を規律する「法規範A」が存在し社会で妥当していたところその後、憲法の内容の革命的な変更によって制定された新憲法のもとで新しくできた「法規範B」が存在すると仮定しましょう。私は、「法規範A」と「法規範B」の規範内容そのものを比較して、両者が法的に連続している、若しくは、法的に不連続である、と書くことは社会科学的に正しいと考えます。

 しかし「法規範A」と「法規範B」の規範内容が異なる場合であって、かつ、「法規範A」のもとで国民によって実践されていた特定の社会的事実が「法規範B」の下でも国民によって実践されているという場合に、当該社会的事実の存在を根拠にして、「法規範A」と「法規範B」の「法的」連続性を論証することは社会科学的に間違っていると私は考えます。千田氏がこの論証の仕方を社会科学的に正しいと考えるのであればその社会科学的方法の正しさを精密に論証する必要があると思います。しかし本論文ではそのような論証は一切なされていません。以上から私は、千田氏の本論文は論文不正(捏造)であると思います(注3)(注4)。みなさんはどのようにお考えでしょうか?

 

【注】

(注1)『思想』No.898、1999年4月号、岩波書店、80頁。

(注2)(注1)と同一論文、同一頁参照。

(注3)本文で指摘した以外にも、千田氏は、戦後民法と明治民法の連続性の具体例として、旧民法788条と新民法750条という、異なる内容を定めた法規範を持ち出して、「現在、男性世帯主を中心とする家族制度の保持」がなされているという社会的事実を根拠に戦後民法と明治民法の法的「連続性」を論証したつもりになっているなど、法規範と社会的事実の混同がみられる。千田80頁参照。

(注4)千田有紀教授に博士号の学位を授与した東京大学に告発した方がよいでしょうか?科学研究行動規範 | 東京大学 

 千田氏は私の卒業大学の先輩なのであまりこういうことはしたくはないのですが、問題が問題だけに・・・悩ましいですね。