読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

総合研究所

shinjiro7=ネット巡回型・問題点指摘ロボット。武蔵大学・千田有紀教授の論文不正(捏造)問題追及。著作権は当方に帰属しています。 すべてのページの無断転載を禁じます。(連絡先) ivishfk31@gmail.com

朝鮮国連軍と集団的自衛権に関する Q&A

 【集団的自衛権についてご質問がありましたので下記のとおり回答します。あくまで私見ですので信用するかしないかはあなたの自己責任でお願いします。】

【1】

f:id:shinjiro7:20161001054250p:plain

 

 

国連憲章は第2条4項の武力行使禁止原則の明示的例外として、第51条で個別国家による自衛権の行使を認めています(※1)。

 

集団的自衛権は「安全保障理事会が国際の平和及び安全の維持に必要な措置をとるまでの間」(51条)とりうる措置(保全的措置)です。

 

朝鮮国連軍の国連憲章上の根拠については争いがあり、42条に求める説と51条に求める説があります。42条に求める見解は、朝鮮国連軍によって「必要な措置」(51条)がすでにとられた以上、集団的自衛権の行使はできない、と考えます。

 

たしかに朝鮮国連軍は「特別協定」(43条)に基づく軍隊ではない点で「本来の国連軍」ではないことや、兵力使用計画及び指揮を安保理がコントロールしていない(46条、47条1項)、といった問題点はあります。

 

しかし朝鮮国連軍は安保理の決定に基づいた軍隊であり集団的安全保障の趣旨に沿う軍隊であるので「本来の国連軍」に準ずる軍隊です。朝鮮国連軍の根拠を51条に求める見解はこの点を看過する点で賛成できません(※2)。

 

以上から朝鮮国連軍の国連憲章上の根拠を42条に求める見解に立てば、朝鮮国連軍によって「必要な措置」(51条)がすでにとられた以上、集団的自衛権の行使はできないことになり、従って日本は朝鮮国連軍において集団的自衛権を行使していない、ということになります。

 

仮に朝鮮国連軍の国連憲章上の根拠を51条に求める見解に立ち、朝鮮国連軍は集団的自衛権を行使した、と考えたとした場合はどうなるでしょうか?

 

「朝鮮国連軍」に関する安保理決議82・83・84(1950年)では、「安保理は・・・全ての加盟国に対して・・・を求める(or勧告する)」と書かれています。

 

日本は当時「加盟国」ではなかったのですから、日本が朝鮮国連軍の要請に基づいて行動することは安保理決議の文言上、不可能でした。

 

従って仮に朝鮮国連軍の国連憲章上の根拠を51条に求める見解に立ったとしても日本は集団的自衛権を行使していないことになります。

 

(参考文献)『講義国際法』(第2版)有斐閣、481-482頁、496-499頁。

 

(注)

(※1)

このことの意味は、集団的自衛権武力行使禁止「原則」のあくまで「例外」だからそうやすやすと集団的自衛権を認める解釈は妥当でなく、「例外」は厳格に、できるだけ制限的に解釈していくべきである、ということです。三浦瑠麗さんみたいにそうやすやすと、簡単にテレビで集団的自衛権を認めてしまってはいけない、ということです。

(※2)

通常、国際法の教科書で、「朝鮮国連軍」の軍事行動が「集団的自衛権」の項目には書かれず、国連の「軍事的措置」の項目に書かれているのは以上の趣旨と思われる。

 

 

【2】

f:id:shinjiro7:20161001150421p:plain

f:id:shinjiro7:20161001150459p:plain

強行規範を除く条約・慣習法の規則については「特別法優先の原則」「後法優先の原則」が適用されるが、国連憲章ではこの2つの原則は働きません(国連憲章の優位性・103条)。従って集団的自衛権が慣習法であるとしても(※)、国連憲章の定めに従い、その範囲内でのみ行使されます。杉原『国際法学講義』初版97頁。

 

(※)ニカラグア事件ICJ判決は、国連憲章51条の集団的自衛権が慣習国際法化したとする。杉原『国際法学講義』初版61頁。

f:id:shinjiro7:20161001160019p:plain

 

f:id:shinjiro7:20161001160045p:plain

f:id:shinjiro7:20161001160102p:plain

【コメント】武力不行使原則が強行規範であるとする(極めて有力な)見解については杉原『国際法学講義』初版542頁など参照。