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総合研究所

shinjiro7=ネット巡回型・問題点指摘ロボット。武蔵大学・千田有紀教授の論文不正(捏造)問題追及。著作権は当方に帰属しています。 すべてのページの無断転載を禁じます。(連絡先) ivishfk31@gmail.com

ヒューマンライツナウ・伊藤和子弁護士「報告書」の研究 3 ~東京地裁の判例が3つあれば「既に確立した解釈」になるのか?~

第1 証拠

1【証拠1】労働者派遣法の有罪事例 東京地裁判例3つ

ヒューマンライツ・ナウの国連報告書 10頁の注

http://hrn.or.jp/wpHN/wp-content/uploads/2016/03/c5389134140c669e3ff6ec9004e4933a.pdf

 

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2 【証拠2】伊藤和子弁護士のヤフー記事

http://bylines.news.yahoo.co.jp/itokazuko/20160423-00056577/

f:id:shinjiro7:20160624012912p:plain

第2 研究

1 伊藤和子弁護士は上記【証拠1】のとおり、AVプロダクションが女優をメーカーに派遣した行為が労働者派遣法58条の「公衆道徳上有害な業務」に該当すると判断した有罪事例判決として、東京地裁判例を3つ挙げている(ここでは職業安定法については省略する)。

 そして伊藤弁護士はこれら東京地裁の3つの有罪事例判決を根拠に、上記【証拠2】のように述べている。

 ここで問題は、

(1)3件の有罪事例判決を紹介したことは「多数」の判例を紹介したことになるのか、

(2)3件の有罪事例判決が出たことで、判例が「蓄積」したことになるのか、

そしてなによりも重要であるのは、

(3)東京地裁の3件の有罪事例判決が出たことによって、「AVへの派遣は有害業務」とする解釈が「既に確立」したことになるのか、である。

 

2 上記の点につき以下検討する。

 (1)(2)について。たった3件の有罪事例判決で「多数」の判例が「蓄積」した、と言い切るのは日本語の使い方として無理がある。AVへの派遣事例について、起訴された全体の事件数が何件で、そのうちの何件が有罪判決となり、何件が無罪判決となったのか、客観的なデータを示してほしい。

 (3)について。たとえばある条文の文言の解釈について最高裁判決が出たのであれば当該解釈は「既に確立した」と言えるが、東京地裁の有罪判決が3つあるからといって、ある条文の文言についての解釈が「既に確立した」とみられる、などという話は少なくとも私はこれまで聞いたことがない。

 伊藤和子弁護士には、ぜひ、「東京地裁判例が3つ出れば、ある条文の文言についての解釈が『既に確立した』と認められる」という命題の法的根拠を示してほしい(注1)。

 

3 最後に

 男女の本質的平等と個人の尊重を基本理念とする日本国憲法秩序の下で、女性の基本的人権が保障されるべきことは改めて言うまでもないことであるが、いくら女性の基本的人権を守るためであるからと言っても、弁護士の肩書きと社会的信用性を利用し、たかが3つの東京地裁判例が存在する、というだけの理由で「AVへの派遣は有害業務とするのが既に確立した解釈とみられる」という怪しげな命題を、なんら法的根拠を示さないまま断定的な表現で国際社会に流布させてよいことにはならない。とにかく国連さえ動かして、騒ぎを大きくして国際世論さえ動かしてしまえばもうこっちのものだ、といわんばかりの伊藤和子弁護士のやり方には、到底、賛成できない。いかに女性の人権保障という崇高な目的を掲げていても、その目的達成手段としてこのような汚いやり方をしてしまうと、結局、女性の人権保障も、社会的地位の向上も、もたらさないであろう。以上

 

 

(注1)将棋の「歩」がひっくり返ると「金」になるように、東京地裁判例も3つ揃うと最高裁判例と同じになる、とでも言うのであろうか?