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総合研究所

shinjiro7=ネット巡回型・問題点指摘ロボット。武蔵大学・千田有紀教授の論文不正(捏造)問題追及。著作権は当方に帰属しています。 すべてのページの無断転載を禁じます。(連絡先) ivishfk31@gmail.com

【集団的自衛権のまとめ】 

【集団的自衛権のまとめ】   

 

(※)以下では個別的自衛権と集団的自衛権の双方を意味する場合は「個別的・集団的自衛権」と書くことにする。

 

1 集団的自衛権の定義

一国に対する武力攻撃について、直接に攻撃を受けていない他国も共同して反撃に加わることができる権利。

 

2 個別的・集団的自衛権国連憲章上の位置づけ

・武力不行使原則(憲章2条4項)の例外として憲章自身が明文化した3つのうちの1つ(憲章51条)。

 

3 集団的自衛権の集団安全保障体制における位置づけ

自衛権は「安全保障理事会が国際の平和及び安全の維持に必要な措置をとるまでの間」(憲章51条)とりうる措置(保全措置)とされている。従って集団安全保障体制における保全的措置として位置づけられる。

 

4 集団的自衛権の法的性質

・他国の防衛であるとする見解(援助説)(ニカラグア事件判決もこの説と解されている)

→援助説は、集団的自衛権を集団安全保障体制の機能麻痺を補完・代替するものと位置づける。

 

・自国の防衛であるとする見解(自国防衛説)

→自国防衛説は、集団的自衛権を集団安全保障体制と矛盾あるいは対立するものと捉える。

 

5 集団的自衛権行使の要件(3つ)

(1)一国に対する武力攻撃が発生したこと

(2)被攻撃国が武力攻撃を受けたことを宣言し、かつ他国に対し援助を要請すること(ニカラグア事件判決)

(3)必要性要件および均衡性の要件を満たすこと

 

6 個別的・集団的自衛権行使後の手続

・直ちに安全保障理事会に報告しなければならない(憲章51条)。

(理由)安保理による事後的判断を保障するため。

 

7 特記事項およびコメント

(1)自衛権は「安全保障理事会が国際の平和及び安全の維持に必要な措置をとるまでの間」(憲章51条)とりうる措置(保全措置)である。従って安保理保全措置を採った場合は、自衛権行使は終了しなければならない。

(2)しかし、安保理が「必要な措置」をとったか否かの判断方法・基準については国家実行上も学説上も議論が分かれる。

→たとえば日本がひとたび集団的自衛権を行使した場合、日本は安保理が「必要な措置」をとったと判断しても、攻撃国が安保理が「必要な措置」をいまだとっていないと判断した場合、日本政府はどう対処するのかが問題となる。

 また、集団的自衛権は集団安全保障体制の保全的措置として位置づけられるが、五大国の拒否権の行使によって安保理が「必要な措置」を採ることができない場合には、この位置づけは無意味となってしまう。

→すると日本がひとたび適法に集団的自衛権を行使した場合でも、五大国の拒否権(憲章27条3項参照)の行使によって安保理が「必要な措置」を採ることができない場合、日本政府はどのように対処するのかが問題となる。

(3)集団的自衛権の法的性質につき援助説に立つと、自国の利益に直接関わらない他国の防衛を認めることになるので濫用のおそれがある。そこでICJは、ニカラグア事件本案判決において、集団的自衛権の法的性質を援助説に立った上で、集団的自衛権の濫用を防ぐ観点から、被攻撃国が武力攻撃を受けたことを宣言し、かつ他国に対し援助を要請することが必要であるとして行使要件を絞った。安全保障関連法案にこのような行使要件の限定があるかどうかは明らかではなく、今までのところ国会で議論はされていないように思われる。

 

参考文献

・『講義国際法』(第2版)有斐閣

・『プラクティス 国際法講義』信山社